薬局ブログ 5/14 「薬局って何してるの?①」
最近は季節ネタが多かったので、今回は薬局のお仕事についてお話しようと思います。
本日は「薬局って何しているの?」シリーズ(勝手にシリーズ化!)の第一弾。
いまさら感だとかは言わないでくださいね!!
さて、皆さんは処方せんを渡してから薬を受け取るまでの間に、カウンター裏でどのようなことが行われていると思いますか?
傍から見れば、確かに棚から薬を取っているだけのように見えます。パソコンとにらめっこをしているときもありますでしょう。
ですが、実はその間にさまざまな確認作業がなされているのです。
時々「薬を出するまでの時間が長い」とご指摘を受けることもありますが、その裏で何が行われているのかを知っていただければと思います。
~ 調剤の流れ ~
お持ちいただいた処方せんにもとづき薬を用意することを「調剤」と言います。
処方せんをいただいてから調剤が終わるまでに、以下のような手順を踏みます。
まず受付にて、処方医・処方せんの期限(受け取られた日を含めて4日間です!)・保険番号など、記載事項に不備・不適がないかを確認します。
保険証や医療証を確認させていただくのもこの時点です。保険番号が異なると保険請求ができず、お支払額に間違いが生じてしまう恐れがあるからです。
次に、処方せんの内容と薬局が持っている患者さんごとの記録(薬歴と言います)及びお薬手帳を照らし合わせ、問題がないかを薬剤師が確認します。
もしここで問題があると、処方医に問い合わせ・確認をします。これを「疑義照会」と言い、お時間をいただく要因の多くがこれにあたります。
時間が掛かってしまう原因としては、例えば診療所の休み時間とかぶる場合であったり、診察中のため折り返し電話になったり、医師からすると自身の処方に対して意見される立場ですから、やりとりがスムーズにいかないことも・・・。
しかし、この”疑義照会”は薬剤師の仕事の中でも重要なポジションを担っており、省略することはできません。
患者さんの健康・医療安全を守るため、法律により「処方せん上の疑問点を全て解消するまで薬は出してはいけない」と定められているからです。
疑義照会の内容としては、以下のようなものが挙げられます。
- お薬の量
- お薬の飲み合わせ
- 持病や体質との相性
- 薬剤アレルギー・副作用歴に関するもの
こういった工程により、患者さんが負わなくてもいいリスクを除いた上でやっと薬をお渡しできる状態となるのです。
そして最後に、薬は「はい、どうぞ」と渡して終了とはなりません。
リスクのあるものとして、薬はその情報とセットとして扱われます。
薬を飲むことでどういった効果が出るのか、また体調にどのような変化が起こるのかをお伝えしなければなりませんし、薬の説明書きはお渡ししていても、患者さんごとに注意していただく点は異なります。
こういった”個々に合わせた情報”も揃えてやっと薬をお渡しする準備が完了します。
こうやって見ると、肉体労働よりもかなり頭脳労働寄りですね。
最近はお薬手帳が広まってきたおかげで以前よりも安全にお薬が使える世の中になってきたように感じます。
それでも中には病院ごとにお薬手帳を分けていたり、複数の病院に掛かっていてもお薬手帳を使っていらっしゃらない方もおられます。
これは薬局からの説明・情報発信不足ももちろんあるでしょう。
病院・クリニック近くの薬局で薬を受け取るのは利便性の面から見て然り、とは思います。しかし、いくつもの薬局を使うことは医療情報の集約が難しく、患者さんにとってのリスクにもなり得ると考えます。
いまやコンビニよりも数が多いといわれる薬局。
自宅の近所を見回してもらえば1-2軒はすぐに見つかると思います。(ちなみに診療所の数はもっと多いですが…。)
これを機に、薬や医療情報の一元管理という意味で”My薬局”を1箇所決めてみてはいかがでしょうか?
~ さいごに ~
今回は薬局のお仕事に関して書かせていただきました。
薬とリスクは切っても切り離せない関係にあります。
リスクをゼロにすることはできませんが、工夫によって減らすことはできます。
今回のお話で薬局の仕事・かかりつけ薬局について少しでも興味を持っていただけたり、ご理解をいただけたなら幸いです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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