薬局ブログ 6/1 「薬局って何しているの?②」
前回、近所の薬局を利用して健康情報を一元化しよう!
という話をさせていただきました。
→前回の記事「薬局って何しているの?①」はコチラ
とはいっても、
「急に処方せんを持っていっても、薬が置いていないじゃないか!!」
という声が聞こえてきそうです。
それは至極ごもっともな意見です。。。
確かに、在庫のない薬は数多くあります。
病院に近い薬局のほうが、その病院に合った品揃えをしていることでしょう。
が!利便性では劣っていると分かっていても、安全のためにこう言わせていただきます。
「それでも自分は”かかりつけ薬局”を推したい!」
今回はそんな薬局における在庫事情についてのお話をしようと思います。
~ なんですぐにもらえない薬があるの? ~
さて皆さま、
突然ですが世の中には、処方せんで出せる(書ける)お薬がどのくらいあるかをご存知でしょうか?
なんとその数は14,000品目にも上ります。
自分は多いなぁという感覚ですが、いかがでしょうか。
これを全て在庫するとどうなるか、どの薬局にでもあるだろう「ロキソニン錠60mg」の箱で換算してみます。
大きさを3cmx5cmx11cm(ほぼ実物大)として全ての薬を1箱ずつ在庫しようとすると・・・
一般的な家庭の風呂桶約10杯分の広さが必要となります。
~~もう探すもの嫌になりそうです;;。
しかし、これはあくまでも小さめの箱での計算。
中には点滴バッグの入った大箱などもありますので、更に場所が必要なのはお分かりいただけるのではないでしょうか。
そもそも一人の医師が使用する薬は限られています。
専門とする科の薬に偏るという理由もありますし、専門外の薬では同じような効果の薬でも使い勝手の良さなどで好みが出るからです。
そのため薬局では、主に近隣の医療機関が使用する薬を取り置くこととなります。
(そうでないと不良在庫で大変なことになっちゃいますからね;;)
参考までに、1つの薬局にどのくらいの数の薬が用意されているかというアンケートでは以下のような結果が示されています。
医療用医薬品品目数(厚生労働省「かかりつけ薬剤師・薬局に関する調査報告書」 より引用)
- 平均値 1,119品目
- 中央値 1,200品目
多くの薬局が全医薬品のうちの1割弱を取り置いているといったところですね。
そのため遠方の医療機関であったり、あまり使用されないような薬ではすぐにお渡しすることが困難となります。
ですが、在庫していないからといって取り扱いができないわけではありません。
近隣の薬局同士で協力して足りない薬の補い合いをしたり、
卸さんやメーカーさんの努力もあり、現在は大半の薬が半日~1日でご用意できる流通状態が保たれています。
病院の近くの薬局じゃないと絶対に薬が手に入らない!というわけではありませんので、ひとことご相談いただけると幸いです。
~ 薬局をひとつにするとどんないいことがあるのか 実例編 ~
ここからはかかりつけ薬局として実際にどんな対応しているのかの例を挙げさせていただきます。
・病院から、緊急入院してきたけどどんな治療をしてきたのかが分からない。
・一包化の薬を別の病院に持参されたが、むき出しだったので中身が分からない。
⇒薬局にある記録(薬歴)を元に情報提供し、安全な治療ができるよう下支え。
・サプリメントの購入を相談されたが、治療中の薬と飲み合わせが悪いものと判明。
⇒購入は避けていただき、代わりにお食事面でのアドバイス。
・お薬手帳を紛失して、どんな薬を飲んでいたかが分からなくなってしまった。
⇒薬歴をさかのぼり、過去の情報も含めた新しいお薬手帳を作成
などなど・・・。
処方せんがないと、薬のことじゃないと薬局に入れない、と思われがちですがそんなことありません。
お客さんのバックグラウンドが分かった状態だからこその、個々に合わせたさまざまな相談をお受けできるのではないでしょうか。
最近は薬局でもFAXでの処方せん受付ができます。
前もって処方せんの内容が分かれば余計なご足労なく薬局をご利用いただけると思います。
当薬局でもFAXやLINEによる事前処方せん受付を行っており、中でもLINEではメッセージのやり取りにて細やかな対応をさせていただいております。
便利なシステムと共に、薬局も便利にご利用くださいね!
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