薬局ブログ 7/17 「塩分補給と高血圧」
本格的な夏になってきました。
日陰にいてもジットリ汗が浮いてきて、不快指数が上がります;。
ここまで暑くなると脱水・熱中症のリスクは大きく上昇し、また梅雨明け直後はまだ暑さ慣れができていないため特に注意が必要です。
さて、暑さには水分・塩分補給が大切といいますが、血圧の高い方は塩分摂取量に注意を払われている場合が多いのではないでしょうか。
今回はそんな夏の水分補給と血圧・塩分のお話をしていきます。
人の体の中で塩分(ここでは”ナトリウム”として考えます。)と水分はどのような動きをするのでしょうか。
答えは、大雑把ではありますが”一緒に動く”こととなります。
水分は主に腸から吸収されます。
このとき水単体でも吸収はされるものの、ここにナトリウムが入ることで水分の吸収がよくなり、さらに糖分が加わることで吸収が加速されます。
スポーツドリンクや経口補水液と呼ばれる飲料に甘みと塩気の両方があるのはこういった理由からなんですね。
また、飲料に含まれる塩分と糖分のバランスによっても吸収具合は変わってきます。
一般的なスポーツドリンクと経口補水液を比べると、スポーツドリンクでは糖分の比率が高いため水分の吸収は劣るといわれています。
ですが、運動中は水分・塩分と共にカロリーも消費しています。エネルギー補給を並行すると考えると運動時の水分摂取にスポーツドリンクを利用するのは理に適っていると感じます。
それに対して経口補水液を飲むタイミングは急いで水分を体に取り入れなければいけないときとなります。
メーカーの記載では軽度~中等度の脱水とされており、感染性腸炎や感冒などによる嘔吐・下痢・発熱による脱水、過度の発汗を原因とした脱水症、脱水をともなう熱中症などが挙げられています。
ここからが今日の本題です。
では、減塩が必要な高血圧の方の場合はどういった水分補給をすればいいのでしょうか?
専門機関からは、
「食塩(ナトリウム)は高血圧の人は夏でも制限することが望まれます」
と記載されています。
これは、日本人の食生活・食文化はもともと塩分を摂りやすい形態であり、激しい運動・発汗時を除いて、一般的な食事をしていればあえて水分からも塩分を摂らなくても問題ないと考えられているためです。
(参考:日本高血圧学会 「高血圧の人の熱中症予防について」)
過度の塩分摂取は余計な水分を体に取り入れることになり、むくみや血圧の上昇、また腎機能の低い方にとっては腎臓に負担をかけてしまうといった恐れがあります。
日々の水分補給にスポーツドリンクや経口補水液を好んで飲まれる方がいらっしゃいますが、良かれと思っていても塩分・糖分を過剰に摂ってしまっている可能性があります。
激しい運動などをされない日は夏らしく、よく冷えた麦茶やお冷でこまめに水分補給することをおススメします。(ただし体の冷やしすぎにはご注意を!)
参考までに、以下に主な水分補給商品の塩分量を示しておきます。
個人的にはスポーツドリンクはそのままでは味が濃すぎるので、1.5倍程度に薄めて飲むことがあります。
甘さによる口の中のべたつきが軽くなり飲みやくすなりますよ!
※OS-1は組成を変えると水分の吸収速度に影響するため原液のままご利用ください。
<各種スポーツ飲料、補水飲料に含まれる塩分量>
500mlあたり
- ポカリスエット 約0.6g
- アクエリアス 約0.5g
- ダカラ 約0.5g
- ヴァーム 約0.5g
- OS-1 約1.4g
(各種メーカーの成分表を参照)
ドリンクもうまく使い分けて、この厳しい夏を乗り切りましょう!
今回は以上です。
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