よくある質問~エタノール消毒編~


少しずつですが消毒用エタノールが入庫され、地域の皆様にも提供できるようになって参りました。


さて、薬局では新型肺炎が流行してから、消毒薬について様々な質問が寄せられています。

中には間違った認識をされている方もいらっしゃるようですので、今回はQ&A方式で

「アルコール消毒の正しい知識アップデート」

と、題して綴っていこうと思います。


では早速!


Q1.エタノール消毒は薄めて使っていいの?

A.例外はありますが、多くの製品は薄める必要がありません。ハイター等の次亜塩素酸ナトリウム製品と混同されているかと思われます。

皆さまが手にする市販の消毒用エタノールの多くは70~80%前後消毒に適した濃度に調整されています(例外として無水エタノールなどの希釈が必要な物はありますが・・・)。エタノールは高濃度ではすぐに蒸発、低濃度では十分な消毒効果が得られないことがあるため、調整後の濃度のものはそのままの状態で使用しましょう。

また、100%近い濃度のものを薄める際に精製水をお求めになる方がいらっしゃいますが、水道水で問題ありません。


Q2.エタノール消毒はどこにでも使えるの?

A.肌・物ともに使用出来ますが、中には適さないものもあります。

エタノールが持つ油分を溶かす性質により、ニスやワックスを剥がしたり革製品やゴムを劣化させる恐れがあります。心配な物に使用する際は目立たないところでテストしてから使われることをおすすめします。

また、傷や粘膜へは刺激性があるため使用しないよう注意しましょう。


Q3.IPと書かれているものと書かれていないものの違いは?

A.IPとは”イソプロパノール”というエタノールと似た消毒成分になります。これ自体にも消毒作用はありますが、脱脂作用(脂を奪う)が強く手荒れし易かったり、独特の臭気があるためやや使い難い面があります。

なぜエタノール単体のほかに”消毒用エタノールIP”と言うものがあるかと言うと、エタノール単体では酒税が掛かり売値が高くなるため、イソプロパノールを少量添加する事で酒税の対象外とし値段を安くできるためです。


Q4.エタノール濃度が60%程度の低い製品が販売されているが効き目は問題ないのか。

A.新型コロナウイルスに対して「エタノール濃度が60%台のものでも一定の有効性があると考えられる」との報告があります。この報告より、厚生労働省からも70%以上の濃度の製品が手に入らない際の代替として使用して差し支えないと発表されています。



繰り返しの手洗いや消毒で手がガサガサになったり、沁みてしまったりする方が散見されます。

今後は手洗い、消毒と併せてスキンケアも大切になってくるかもしれませんね。



・終わりに・

もう少しで梅雨明け、暑い日が戻ってきます。

今までは感染対策として、扉を開けて空気の通りを作っていましたが・・・今後は暑さ対策と換気をどう両立させるか悩みどころです。

皆様にも引き続き入店時の消毒・マスク着用のご協力をお願い致します。


地域に根差す:シーガル調剤薬局

鎌倉市材木座に立地する「シーガル調剤薬局」です。 地域住民の方々の「健康情報拠点」となる事を目指しています。 当薬局は、厚生労働省施設基準「健康サポート薬局」・「地域連携薬局」として受理されています。 神奈川県薬剤師会「くすりと健康相談薬局」の認定も受けています。 病気を抱えている人でなくても、健康情報の発信基地としてご利用下さい。

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